国立新美術館では「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」を12月11日(月)まで開催中です。本展は「モードの帝王」と呼ばれるイヴ・サンローランの没後、日本で初の大回顧展となります。
オートクチュールのルック110体をはじめ、アクセサリー、ドローイング、写真など、貴重な資料262点が12章構成で一挙公開。クリスチャン・ディオールの急死後1958年にディオールのデザイナーとしてデビューしてから、2002年の引退までの歴史を振り返ります。
今ではパンツスーツやタキシード、トレンチコートを女性が着用するのはめずらしくありません。しかし、1960年代においては男性のものという印象が根強くありました。そんな中、彼はそれらのスタイルを女性のワードローブに先駆的に取り入れ、世界中に広めました。
4章では、サハラ以南のアフリカ、ロシア、スペイン、そして彼が特に愛したというモロッコなど、遠い地への憧憬を表現したデザインが並びます。中には、日本をイメージしたものもあり、着物のようなイブニング・アンサンブルが見られます。
イヴ・サンローランは、演劇、バレエ、ミュージックホール、映画などの衣装を数多く手がけました。7章から8章にわたり、そのスケッチや実物が展示されています。
9章では、ピカソ、マティス、ブラック、ファン・ゴッホ、ボナールといった画家・作家の芸術作品から着想を得たオートクチュールが紹介されています。ここでは、ピート・モンドリアンにオマージュを捧げた、かの有名なカクテル・ドレスを見ることができます。
オートクチュールのファッションショーでは、フィナーレをウエディングドレスが飾るもの。本展でも、伝統的なものから斬新なものまで、さまざまな花嫁衣装が登場します。
イヴ・サンローランだけでなく、服飾の歴史そのものを体感できる本展。ファッションに興味のある方はぜひ足を運んで、実物をじっくり眺めてみてはいかがでしょうか。
編集部 齊藤
「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」
会期:2023年9月20日(水)~12月11日(月)
休館日:毎週火曜日
開館時間:10:00~18:00
※毎週金・土曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
会場:国立新美術館 企画展示室1E
主催:国立新美術館、産経新聞社、TBS、ソニー・ミュージックエンタテインメント
特別協力:イヴ・サンローラン美術館パリ
特別協賛:SAINT LAURENT
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ、BS-TBS、TBSラジオ
協賛:SOMPOホールディングス、野崎印刷紙業
協力:日本航空
企画協力:Ueki & Associés
展覧会HP(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://ysl2023.jp/