六本木未来会議に登場したクリエイターのみなさまが「クリエイションのスイッチを押してくれる一冊」として推薦してくれた本を紹介しています。紹介した本は、東京ミッドタウン・デザインハブのインターナショナル・デザイン・リエゾンセンター内で不定期開室されているリエゾンセンター・ライブラリーにてお読みいただけます。今回はレフィーク・アナドールさんが選んだ『Expanded Cinema』(著:ジーン・ヤングブラッド/Fordham Univ Pr)。
レフィーク・アナドールさんのコメント
60年代後半から90年代後半にかけての世界を描いた、アーティストが複雑な形式のストーリーテリングや、没入型環境を使った表現の可能性を発見していったことについての本です。私のチームのストーリーテラーが扱うのは、スクリプトや古典、文学のような伝統的な方法ではなく、光やレーザーを使ったもっと抽象的なものですが、私にとってこの本は、2009年に最初の没入型ルームを制作したとき、大きな力となりました。サイエンス・フィクションの基本としては、マイヒーロー的存在であるウィリアム・ギブソンの『The Peripheral』もインスピレーションを受けた一冊です。
「エクスパンテッド・シネマ」とは、従来とは異なる方法・形式で上映される映画のこと。「拡張映画」ともいう。本書は1970年に刊行。著者はアメリカのメディア芸術と政治の理論家で、映像体験を通してもたらされる「拡張した意識」という観点から、エクスパンテッド・シネマを位置づけた。
クリエイティブ集団「graf」を率いる服部滋樹さんへのクリエイターインタビューをきっかけに実現した、「六本木未来会議BOOKキャラバン by 服部滋樹」のプロジェクトレポートも公開中。併せてお読みください。
レフィーク・アナドールさんのインタビューはこちら
クリエイターインタビュー #149
レフィーク・アナドール(メディア・アーティスト)
https://6mirai.tokyo-midtown.com/interview/149_01/