六本木未来会議に登場したクリエイターのみなさまが「クリエイションのスイッチを押してくれる一冊」として推薦してくれた本を紹介しています。紹介した本は、東京ミッドタウン・デザインハブのインターナショナル・デザイン・リエゾンセンター内で不定期開室されているリエゾンセンター・ライブラリーにてお読みいただけます。今回は大山エンリコイサムさんが選んだ『ひとが生まれる 五人の日本人の肖像』(著:鶴見俊輔/ちくま文庫)。
大山エンリコイサムさんのコメント
規範的な生き方から外れた5人の日本人のバイオグラフィーで、最初に読んだのは高校生の頃。個人史を読むことで、より大きな当時の日本が見えてくるのですが、読み進めると少しずつピントが合ってくる構成が秀逸です。美術や文化も、個人の人生や生活から始まり、そこにさまざまな意味が肉づけされることで、社会や歴史という大きな流れに通じていくのだと思います。美術史もこの本のように綴られるのが理想ではないかと、初めて読んだ当時も、今も感じている一冊です。
著者は、雑誌『思想の科学』発行の中核を担い、戦後日本を代表するオピニオン・リーダーのひとりとなった哲学者。中浜万次郎、田中正造、横田英子、金子文子、林尹夫の5人の波乱に満ちた生涯を辿ることが、日本の社会について考える手がかりになる。
クリエイティブ集団「graf」を率いる服部滋樹さんへのクリエイターインタビューをきっかけに実現した、「六本木未来会議BOOKキャラバン by 服部滋樹」のプロジェクトレポートも公開中。併せてお読みください。
大山エンリコイサムさんのインタビューはこちら
クリエイターインタビュー #147
大山エンリコイサム(美術家)
https://6mirai.tokyo-midtown.com/interview/147_01/