GALLERY ETHERは6月6日(火)から6月24日(土)まで、アーティスト片山真理さんの個展「CAVERN」を開催しました。今回はその様子をレポートします。
片山さんは、自らの身体や義足、手縫いのオブジェなどを用いた作品を中心に活動する国際的なアーティストです。2011年にはハイヒールを履ける義足の製作を通して、すべての人にひらかれた"選択の自由"を目指す「ハイヒール・プロジェクト」をスタート。妊娠・出産を経て、2022年にこのプロジェクトを再始動しました。
本展は、コロナ禍であった2019年から4年にわたって制作してきた《just one of those things》、《leave-taking》、《possession》、そして「ハイヒール・プロジェクト」の活動の中で生まれた新作《Calypso》、《study for caryatid》、さらにドローイングを中心に構成されています。
ギャラリーに入ってすぐ、片山さんのドローイングが展示されています。まっさらな紙に黒インクで描かれた伸びやかなライン、そしてピンポイントに用いられた赤のコントラストが印象的でした。
地下へ続く階段の前では、「ハイヒール・プロジェクト」の再開と共に制作された《just one of those things》が映し出されます。
地下1階は、写真作品が中心。右手にはフィルム写真が並びます。
写真には、シャッターボタンを握る姿が見られます。誰かに撮影されるのではなく、自分でシャッターを押すことにこだわりがあるそうです。
煌びやかな額縁も片山さんがプロデュースしているそう。貝殻やパールなど、彼女の作品を象徴する素材が用いられています。下記画像は、「ハイヒール・プロジェクト」第二弾のパートナー、セルジオ ロッシのファクトリーで撮影された作品です。
向かいには、アトリエで撮影された2021年の作品《leave-taking》が並びます。身体が消えかかっているように写し出されている意味は一体何なのか、考えさせられます。
反対側の小さなスペースでは、デジタル写真が展示されていました。椅子の上で、下着姿の彼女がさまざまなポージングを見せています。モノクロかつシンプルで、これまでの作品とは一風変わった印象を受けました。
魅惑的かつ、鋭いメッセージ性に溢れた片山さんの世界観を、心置きなく体感できる展覧会となりました。
編集部 齊藤
片山真理「CAVERN」
会期:2023年6月6日(火)~6月24日(土)
会場:GALLERY ETHER
公式サイトで詳細を見る(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.galleryether.com/ja/exhibitions/cavern