【展覧会レポート】21_21 DESIGN SIGHT企画展「The Original」

21_21 DESIGN SIGHTでは、2023年6月25日（日）まで企画展「The Original」が開催中。本展では、「The Original」と定義したデザインについて、19世紀後半から現在までのプロダクトを約150点展示しています。

ここでの「The Original」の意は、必ずしもデザイン史における「始まり」ではありません。根源的な魅力と、世の中に深い影響を与える力を備えたものという観点から、デザインの第一線で活躍する土田貴宏、深澤直人、田代かおるの３氏が選出しています。

本展でフィーチャーされるプロダクトは、テーブルや椅子、照明などの「家具」、もしくは食器や文具といった「道具」とともに展示されており、それぞれが作用しあうことで独特な世界観が生まれています。

会場には、デザインの歴史を語る上で不可欠な名作が多数揃っています。家具や道具にさほど詳しくない方でも、きっと見覚えのあるデザインが見つかるはずです。

中には、世界的に高い評価を得ているものの、日本ではほとんど流通していない「知られざる名作」も。クリエイティビティを刺激するデザインの数々に出会えることでしょう。

会場後半では、100点以上の作品が大まかな時系列に沿って並べられています。19世紀後半から2023年現在にいたるまで、身近なプロダクトのデザインが時代に合わせてどう変化していったのか、じっくりと味わうことができます。

中には、1930年代から2010年代までの椅子のデザインの変遷をたどるコーナーも。木材、金属、プラスティックなど、時代によって使われる素材もさまざまです。

近年では、環境保護の観点から再生可能な素材に注目が集まっています。こちらのゴミ箱は、特別なリサイクル紙でできており、使用後も再びリサイクルが可能。ゴミ箱がゴミになってしまう、なんてことがありません。ちなみに、会期中は会場内のショップで購入することもできます。

会場の最後には「オリジナルって何だろう？」という問いかけが。真の意味でのオリジナリティとは何なのか、考えさせられる展覧会となっています。インスピレーションを求めている方は、ぜひ足を運んでみてください。

編集部　齊藤