森アーツセンターギャラリーでは、4月10日(月)まで「ヒグチユウコ展 CIRCUS FINAL END」が開催中です。初の大規模個展として2019年から全国を巡り、再び東京に帰ってきました。全国巡回した約500点の作品に加えて、さらに約1,000点の作品が公開されています。
生き物や少女、キノコなどを、幻想的なタッチで描く画風で知られる画家・絵本作家のヒグチユウコ。本展では、そんな彼女の楽しげでちょっと切ない、浮世離れした世界観を思う存分堪能できる内容になっています。
本展のメインテーマは、タイトルの通り「サーカス」。会場には、ヒグチユウコが背景を担当した「カカオカー・レーシング」(2017年、グラフィック社、今井昌代著)の立体展示や、サーカスにちなんだ描き下ろし原画の数々が並びます。
絵本の原画は、デビュー作「ふたりのねこ」や「ギュスターヴくん」、「ほんやのねこ」などなど。絵本以外にもモノクロ・カラー問わず、さまざまな原画が揃いました。描き込みの細かい作品をじっくり眺めているだけで、あっという間に時間が経ってしまいます。
原画以外にも、ぬいぐるみや椅子、洋服、ランプなど、さまざまな展示物が登場します。立体になったからこそ見えてくる、新たな発見もあるかもしれません。
中には、彼女が手掛けた映画のオルタナティブポスターが集められたコーナーも。ヒグチユウコファンはもちろん、映画好きにも堪らない空間になっています。
『ミッドサマー』や『サスペリア』をはじめ、最後は猫をモチーフに描く作品で知られる画家の半生を描いた映画『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』で締められています。ポスターだけでなく原画も併せて展示されているので、見比べてみるのもオススメです。
ヒグチユウコの作品といえば洋風の印象が強いですが、会場には和室を模したコーナーもありました。
屏風や掛け軸、こけし人形に描かれたイラストたちは、日本風でありながらもヒグチユウコ作品らしさが表現されています。どんなコンセプトも取り込んで昇華してしまう、画力の高さをあらためて実感しました。
会場と同じフロアには「CANTEEN GUSTAVE by THE SUN & THE MOON〈Cafe〉」が期間限定オープン。ギュスターヴくんやひとつめちゃんたちに彩られたスペシャルメニューの数々が用意されています。「お皿付き」のメニューを注文すると、本カフェ限定の特製のお皿をお持ち帰りできますよ(枚数限定・予定販売数に達し次第配布終了)。
現実を忘れて、ヒグチユウコワールドにどっぷりと浸れる展覧会となっています。ファンはもちろん、かわいくてちょっと怖い世界に惹かれる方は、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
編集部 齊藤
「ヒグチユウコ展 CIRCUS FINAL END」
会期:2023年2月3日(金)~4月10日(月)※会期中無休
開館時間:10:00~18:00
※金・土曜は20:00まで
※入館は閉館の30分前まで
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
主催:朝日新聞社
特別協力:GUCCI
協力:グラフィック社、白泉社、祥伝社、ブロンズ新社、講談社
後援:TOKYO MX
公式サイトで詳細を見る(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://higuchiyuko-circus.jp/