現在、六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー スカイギャラリーでは、「連載完結記念 約束のネバーランド展」が開催されています。
「孤児院で幸せに育てられていた子どもたちは、実は食用児として鬼に献上されるために飼育されていた」という、衝撃的な導入で始まる本作。2016年から2020年まで「週刊少年ジャンプ」で連載され、連載終了後の今もアニメや実写版映画など二次メディアを展開し、ファンを魅了し続けている衝撃の脱獄ファンタジー作品です。
会場は、エントランスエリアから始まり、展示エリアⅠ~Ⅷまでで構成されています。最初に訪れるエリアは、PHOTO SPOTにもなっている【エントランス】。出水氏によるコミックス全巻の表紙が展望窓一面に並んだ様はまさに圧巻です。
日没からはライトショーが実施され、展望台からの夜景とともに幻想的な光景が広がります。白い壁に投影されているのは、子どもたちが献上される"鬼"のシルエット。作品にあるサスペンス性を表現したような演出にワクワクさせられました。
【展示エリアⅠ・GFハウスからの脱出】からは、印象的なシーンが展示され、物語の軌跡を辿ることが出来ます。白井・出水両氏より寄せられた制作裏話などのコメントも必見。それぞれの苦労や思い入れ、工夫などを知った後に改めて原稿を見直すと、感慨深いものがあります。
特に印象的だったのが、【展示エリアⅢ B06-32シェルター】に登場する"オジサン・ユウゴ"のシーン。作画者である出水氏は、子どもたちが初めて成人男性を見てどう感じたかを想像しながら描いたそうです。この緻密な世界を作りあげる上で欠かせない根幹に触れたような気がしました。
鬼が登場する街の雰囲気を再現した【展示エリアⅣ ゴールディ・ポンド】ほか、それぞれのストーリーをイメージした空間が演出されていて、作品の世界に没入することができます。折り返し地点には、漫画に登場する名シーンをバックに撮影出来るPHOTO SPOTも。
そしていよいよ、【展示エリアⅥ 『約束のネバーランド』が出来るまで】へ。1話が完成するまでの流れや、1日のタイムスケジュール、キャラクターが完成するまでなど、見ごたえのある制作資料が多数展示されています。
中には構想のルーツとなった秘蔵のネーム原稿や、本展示会のためだけに描き下ろされたオリジナルエピソードも。テーマは「完結後のエマと家族たちのお話」。最終回を迎えたあとのエマと仲間たちの物語になっています。制作過程から展示されているためペン入れが進むごとに、生き生きと躍動感が増していることが分かります。
本展のビジュアルについて「今までの思い出が噴き出すような、この絵を見た人が約ネバの世界に吸い込まれるような絵を目指しました」と出水氏。「あと何枚約ネバの絵を描けるかな、と思うと少し寂しくもありました」とコメントを寄せています。
『約束のネバーランド』の世界観をあますことなく紹介した展示会。ファンのみならずその芸術性の高さや奥深さに引き込まれてしまうことでしょう。
編集部 辻本
「連載完結記念 約束のネバーランド展」
会場:六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー スカイギャラリー
会期:2020年12月11日(金)~2021年1月11日(月・祝)
時間:10:00~22:00(最終入場21:30)
※会期中無休
※入館は閉館時間の30分前まで
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://yakuneba-ten.jp/