六本木ヒルズ A/Dギャラリーでは、小野哲也・竹村文宏・照井譲・田島大介によるグループショー「Dots, Line, Forms」が開催されています。異なるメディアの4名のアーティストによる本展では、ドット(点)、ライン(線)、フォルム(かたち)がそれぞれ特徴的に各作家の作品にユニークに反映されています。
フィクションに登場するメカやロボットをモチーフに制作している小野哲也氏。細部がこだわりぬかれたフィギュアは、メカニカルなフォルムでありながら、可憐さも潜んでいます。また、塗装されていない真っ白な姿からは、架空世界に登場する彼らならではの儚さのようなものも感じることができました。
竹村文宏氏は、神戸でしか発表していなかった作品群を出展。ペインティングという手法を維持した上で、絵の具で立体的に多様な風景の要素を具現化。画面上にキャッチーなフォルムを紡ぎ出しています。
近寄って横から作品を眺めれば、その立体感がより伝わってくることでしょう。作品自体の凹凸はもちろん、それらが生み出す陰影も、作品の味をより一層深いものにしています。
近寄って鑑賞したいのは、照井譲氏の作品も同じ。写真では少し伝わりづらいですが、偏光フィルムに樹脂をドーム状に乗せるドットを画面上に敷き詰め、ダイナミックな色彩の変化で鑑賞者の視覚を揺さぶります。ギャラリーの明かりを受けて様々な表情を見せてくれるため、思わず作品の前を行ったり来たりしてしまいました。
アグレッシブな線描で力強い都市風景や重機を描くのは田島大介氏。東京ミッドタウンが毎年開催しているTOKYO MIDTOWN AWARD の2015年のアートコンペグランプリ受賞者でもあります。とても精密な都市風景なため、撮影した航空写真を模しているのかと思いきや、ほとんどは想像したものを描いているそうです。
質感も世界観も異なり、またディテールへの誘いも違った作品群が一つの空間に揃うことで、それぞれの個性や特徴がよりダイレクトに鑑賞者に伝わる本展。ショッピングや「STARS展」「大野智 作品展」で六本木ヒルズを訪れた際に、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
編集部 高橋
Dots, Line, Forms
会場:六本木ヒルズA/Dギャラリー
会期:2020年9月18日(金)~10月11日(日)
開館時間:12:00~20:00
入場料金:無料
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://art-view.roppongihills.com/jp/shop/adgallery/dotslineforms/index.html