森アーツセンターギャラリー (六本木ヒルズ森タワー52階)では2019年11月17日(日)まで、20世紀美術最大の巨匠の一人であるジャン=ミシェル・バスキアの展覧会が行われています。バスキアが活動したのはわずか10年ほどでしたが、新たな具象表現的な要素を採り入れた3,000点を超すドローイングと1,000点以上の絵画作品を残しています。
森アーツセンターギャラリー (六本木ヒルズ森タワー52階)では2019年11月17日(日)まで、20世紀美術最大の巨匠の一人であるジャン=ミシェル・バスキアの展覧会が行われています。バスキアが活動したのはわずか10年ほどでしたが、新たな具象表現的な要素を採り入れた3,000点を超すドローイングと1,000点以上の絵画作品を残しています。
本展は、バスキアと日本との多方面にわたる絆に焦点をあてたもの。世界各地から集めた約130点の絵画やオブジェ、ドローイングなどから、日本の豊かな歴史や文化がその創作に及ぼした知られざる影響を明らかにしています。
バスキア研究の世界的権威であるディーター・ブッフハート氏は「この展覧会を通じて、バスキアと日本の深い関係性、そして日本文化が西洋文化に大きな影響を与えていることを理解していただければ」と挨拶しました。
本展の「メイド・イン・ジャパン」というタイトルは、「オニオンガム」という作品に描かれた文字から命名されました。バスキアが生前に幾度か日本を訪れた1980年代は、バブルへ向かう好景気の真っ只中。様々な製品に記された「メイド・イン・ジャパン」の文字や人々の熱気に、バスキアはインスピレーションを受けていました。
バスキアが日本から受けた影響は、一部の作品に記された「YEN」の文字や記号、平仮名に表れています。また、ソニーのウォークマンや漫画やアニメにも関心があったそうで、本展では鉄人28号がモチーフになった作品も展示されています。
本展のポスターのグラフィックに使われているのは、中央に力強いタッチで描かれた骸骨が特徴的な作品「Untitled」。7歳の頃母親に貰った解剖学の本からインスピレーションを受けており、骸骨はバスキア作品を象徴するモチーフの1つです。
本作はZOZO前社長の前澤友作氏が2017年にバスキア作品では過去最高の落札額である約123億円で落札した作品。本展への貸し出し前はリビングに飾っていたそうで「見るたびに新しい発見があり、自分の背中をそっと押してくれているような錯覚にも陥りました。自分の日々のわずかな心情の変化に呼応してくれていたんだと思います。」とコメントを寄せています。
激しい線画と鮮やかな色彩で知られるバスキアの作品ですが、そのほかにも注目すべき点は作品内に大々的に描かれた文字です。母国語である英語の外にも、彼の母親が話していて馴染み深かったスペイン語やフランス語をはじめ、ラテン語もしばしば見られます。
文字はすべて手書きで、殴り書きのようなエネルギーを感じさせます。文字として独立しているわけではなく、イメージとともに作品全体の意味を拡散させるような、絵と同等のパワーを放っています。
会場の中ほどには、なんと8冊分の直筆のノートブックの展示も。壁中にノートが展示され、1つずつ丁寧に見ていくと日が暮れてしまうほどです。描かれた文字やイラストから、当時のバスキアの脳内を覗き見ることが出来るかもしれません。
さらに、会場に併設する「Cafe THE SUN」では、コラボメニューを楽しむこともできます。数千点もの作品の世界観にどっぷりと浸かった後はカフェにも足を伸ばし、バスキアの魅力を味覚でも味わってみてはいかがでしょうか?
編集部 高橋
バスキア展 メイド・イン・ジャパン
会場:森アーツセンターギャラリー (六本木ヒルズ森タワー52階)
会期:2019年9月21日(土)~11月17日(日)
開館時間:10:00~20:00(最終入館19:30)
※10月21日(月)17:00閉館
※入場は閉館の30分前まで
入場料金:一般 2,100円、高校・大学生 1,600円、小・中学生 1,100円
お問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
www.basquiat.tokyo/