21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3では、3月31日(日)までフレンチ・デザイン展「NO TASTE FOR BAD TASTE スタルク、ブルレック・・・」が開催されました。本展は、Le French Design by VIA(フランス創作家具振興会)のプログラム「Le French Design」がVIAの40年間にわたるインテリアデザインへの貢献と支援を記念して開催されたもので、2017年から世界各地を巡回。アジアでは初の展示会として東京に到着しました。今回はプレスカンファレンスの様子を交えて会場の様子をレポートします。
本展では、世界的に著名な40人のクリエイターらが選んだ40の作品が、フレンチ・デザインの基本となる10のキーコンセプトに沿って展示されていました。
そのコンセプトとは「アール・ド・ヴィーヴル(日常に息づく芸術)」「品格」「ラグジュアリーの香るエレガンス」「大胆さ」「異文化への開放性」「伝統」「バランス」「創造性と産業」「サヴォアフェール(職人技)」「持続可能な革新性」の10個。
このうち、今回の日本での展示会では「ラグジュアリーの香るエレガンス」「大胆さ」「サヴォアフェール(職人技)」「持続可能な革新性」「アール・ド・ヴィーヴル(日常に息づく芸術)」の5つのコンセプトをもとに展示が行われました。それぞれのコンセプトごとにテントが設けられており、どの作品がどのコンセプトで選ばれたのかが一目で分かるようになっています。
こちらは「持続可能な革新性」のテント。奥にある白い屏風は紙でできていて、扇のように広げることも、パーテーションのようにまっすぐ立てることもできる革新的なデザインです。
プレスカンファレンスでは、在日フランス大使のローラン・ピック氏が「日本とフランスのクリエイターの中にはお互いに共通した感性があり、それが日本とフランスの関係の強みになっています。だからこそフランスで開催されたジャポニズム2018が、大成功を収めたのだと思います」と語り「フランスと日本の絆強化のためデザインを大切にしていきたい」と決意を新たにしました。
VIAのCEOを務めるジャン=ポール・バス氏は「フランスの素晴らしいアール・ド・ヴィーヴルをより確かに皆さんにお届けするため、世界的デザイナーのジャン=シャルル・ド・カステルバジャック氏に空間演出を依頼し、エレガントでポエティックな空間が生まれました」とコメント。実際に会場は絶え間なく音楽が流れていたり、全体をトリコロールカラーでまとめていたりと、上品で居心地のいい空間になっていました。
プレスカンファレンスでは、バス氏による作品の説明も。こちらのプロダクトは、コンクリートの階段のようにも見えますが、実際に触ってみると柔らかく座り心地も抜群で、つい寝転びたくなってしまいたくなるようなクッション。会場にあるプロダクトはすべて、自由に触れたり、座ったりすることができるので、実際の感触も楽しむことができました。
写真手前のデザインは、マジックテープを外して広げれば、昼寝ができるマットにもなる便利な椅子。「Do not disturb」と書かれた座席部分を隣に置けば、誰にも邪魔をされずに快適な睡眠がとれることでしょう。
ここで紹介したほかにも、本展で展示されていたのはどれも計算されつくした、フランスを代表するデザイン性の高い作品の数々。ですが会場には、高尚で思わず身構えてしまうような固い印象はなく、キュートで親しみやすい空間が広がっていました。
編集部 峰崎
フレンチ・デザイン展「NO TASTE FOR BAD TASTE スタルク、ブルレック・・・」
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
会期:2019年3月15日(金)~2019年3月31日(日) ※終了しました
開館時間:10:00~19:00
休館日:火曜日
入場料金:無料
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
http://www.2121designsight.jp/gallery3/french_design/