六本木未来会議に登場してくれたクリエイターのみなさまが推薦してくれた本を毎週紹介していきます(紹介する本の一部は2014年に開催した「森の学校」の図書室と、2015年に開催した「六本木ブックフェス」、2016年に開催した「六本木未来会議BOOKキャラバン」でも展示したものです)。
今回は、伊藤直樹さんが選んだ『Derek Jarman's Garden』(Derek Jarman/Thames & Hudson)。
伊藤さんのコメント
学生のとき映画館で観た、デレク・ジャーマンの「BLUE」という文字通り全画面ブルーの映画は強烈でした。この本では、彼がエイズに冒されてから晩年を過ごした、海の近くの荒涼とした大地にある家の、美しい庭の写真を見ることができます。この庭は、彼の暮らしそのものであり、死について考え、色彩や造形について考えた結果であり、彼の表現そのもの。何かを表現する人間としての、デレク・ジャーマンの静かで孤独で誠実なアティチュードは尊敬に値します。自分が表現に迷ったとき、弱気になったとき、常に見返す一冊です。
デレク・ジャーマンはイギリス・ミドルセックス出身の映画作家、舞台デザイナー。彼はHIVを発症後に、チェルノブイリ原発事故で危険区域となったイギリス南部ダンジェネス村で晩年の7年間を過ごします。この土地で暮らし、草花を見つけては植え、育てる。その園芸の様子が記録された本書は、今でも名著として語り継がれています。
伊藤さんの「六本木未来大学」講義レポートもあわせてどうぞ。
六本木未来会議アイデア実現プロジェクト#07 「六本木未来大学」
第7回 「伊藤直樹さん、世界で通用するクリエイティブディレクションって何ですか?」
http://6mirai.tokyo-midtown.com/project/no7_11/