六本木エリアのギャラリーを編集部スタッフの目線で紹介する「六本木ギャラリー探訪」。今回はこの秋六本木にオープンしたばかりの話題のスポット「complex665」を訪ねました。かつて清澄白河にあったギャラリーコンプレックスと所在を同じくしていた3つの現代美術ギャラリー、「小山登美夫ギャラリー」「シュウゴアーツ」「タカ・イシイギャラリー」が再び集結した、地上3階建ての施設です。
まず訪れたのは、2階にある「小山登美夫ギャラリー」。北参道に構えていたギャラリーの拠点を、本施設のオープンと同時にこちらに移転しました。現在、渋谷ヒカリエにあるスペースと2店舗を都内に構えています。
エントランスを入ってすぐにある展示室を抜けると、その奥にもうひとつ、広々とした展示スペースが広がります。内装を手掛けたのは、村山徹さんと加藤亜矢子さんによるムトカ建築事務所。「空間に温かみを持たせたい」という、小山登美夫さんの提案から生まれた、レンガや木材を取り入れたデザインのレセプションスペースが2つの空間をつなぎます。
12 月 3 日(土)までは、蜷川実花さんが花火と野外フェスをテーマに撮影した「Light of」を開催中。大判作品の数々を展示した、見応えのある展覧会でした。
こちらは、同じく2階に入居する「シュウゴアーツ」のエントランス。こけら落としとなる小林正人さんの個展「Thrice Upon A Time」が、12 月 4 日(日)まで行われています。発光するような絵画に引き寄せられるようにギャラリーの中へ......。
「シュウゴアーツ」は、三宿で運営していたウィークエンドギャラリーをクローズし、今回新たに六本木に拠点をオープンしました。こちらでは、建築家の青木淳さんが、レセプションデスクやスツール、作品を照らす照明に至るまでトータルに内装デザインを手がけています。
実は独立以前、「小山登美夫ギャラリー」の内装を設計したムトカ建築事務所の村山さんは、青木さんに師事されていたお弟子さんだそう。そんな建築界の師弟競演も、このスポットの見どころのひとつです。
「小山登美夫ギャラリー」と同じく、北参道から六本木に拠点を移したのは、3階の「タカ・イシイギャラリー」。ギャラリーで作品を扱う20人の作家によるオープニング展「Inaugural Exhibition: MOVED」が11月19日(土)まで開催しています。国内外の美術家による作品や、荒木経惟さんや森山大道さんのプリントも展示。今後は、北参道にあるスペースと同時進行で企画が行われていくそうです。
心地良い自然光が入るスペースは、天井も高く開放的。テラスには、セコイアワークスが手がけた植栽が置かれています。11月26日(土)からは、鈴木理策さんの個展「Mirror Portrait」がスタート。「complex665」で撮影を行ったポートレイト写真が展示されるそうです。どんな作品になっているのか、こちらも楽しみですね。
そのほか、1階には「タカ・イシイギャラリー」が設けるビューイングスペースと、内装デザインやリノベーションを手掛ける「ブロードビーン」の家具ショールームが入居。六本木ヒルズの麓、現代美術ギャラリーが多く入居するピラミデビルのそばにオープンした、アートの街・六本木の新たな拠点。今後の展開が楽しみです!
編集部 五十嵐
information
「complex665」
住所:東京都港区六本木6-5-24
「小山登美夫ギャラリー」
開廊時間:11:00~19:00
休廊日:日曜、月曜
電話:03-6434-7225
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
http://tomiokoyamagallery.com/
「シュウゴアーツ」
開廊時間:火~土 11:00~19:00、日 12:00〜18:00
休廊日:月曜、祝日
電話:03-6447-2234
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
http://shugoarts.com/
「タカ・イシイギャラリー」
開廊時間:11:00~19:00
休廊日:日曜、月曜
電話:03-6434-7010
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
http://www.takaishiigallery.com/