六本木未来会議に登場してくれたクリエイターのみなさまが推薦してくれた本を毎週紹介していきます(紹介する本の一部は2014年に開催した「森の学校」の図書室と、2015年に開催した「六本木ブックフェス」でも展示したものです)。
今回は、田根剛さんが選んだ、『モモ』(著・ミヒャエル・エンデ/岩波書店)。
田根さんのコメント
本を読むのが好きで、いつも旅にもっていきます。自分の「今」に近いものもあれば、遠いけれどすごく刺激を与えてくれることもある。
本との出会いはたえず自分を育てくれますが、ずっと大切な一冊といえば『モモ』。子どもの頃に最初に読んだ本のひとつで、数年前に実家の本棚から、たまたまこの表紙を見つけて「あっ!」と手にしました。
灰色の男たちによって時間が盗まれ、人々の心が失われていく......。エンデがイタリア滞在時代の恩返しとして描かれ、現代社会への批判と人間模様が描かれた物語。『時間の花』は心に響く名シーン。
挿絵や装丁もファンタジーが描かれた、誰にでも読める名作です。
1974年にドイツで児童文学賞を受賞している『モモ』。その後各国で翻訳され、日本でも人気の名作。本書は児童文学ですが、子どもの頃と、仕事を始めてから読むのとでは、ガラッと解釈が変わる物語。「時間とは何か」を考えさせられる一冊です。
田根さんのインタビューもあわせてどうぞ。
クリエイターインタビュー #60
田根剛(建築家)
http://6mirai.tokyo-midtown.com/interview/60/