六本木未来会議に登場してくれたクリエイターのみなさまが「クリエイションのスイッチを押してくれる一冊」として推薦してくれた本を毎週紹介していきます(紹介する本は2014年に開催した「森の学校」の図書室でも展示されていたものです)。
今回は、渡邉康太郎さんが選んだ、『旅の時間』(著・吉田健一/講談社文芸文庫)。
渡邉さんのコメント
「旅」と「生活」のあいだ、「酩酊」と「素面」のあいだ。そして「随筆」と「小説」のあいだで揺れる振り子。吉田茂の長男の吉田健一による短編集。機上、ロンドン、パリ、京都、神戸、船上...。旅をしながら出会ういろいろな人、いろいろなお酒。句読点のほとんどない、でも独特のリズム感のある、あまりに甘美な一冊に心地よく酔ってしまう。
旅先で、主人公が誰かと出会って、時間を共有し、そうしてまた一人に戻っていく。そんな各地での旅の時間をまとめた短編集。
句読点のほとんどない文章は、とても緩やかで流れるように読み進められます。旅行記でも日記でもなく、過ごした時間をありのまま切り取ったような1冊です。
渡邉さんのインタビューもあわせてどうぞ。
クリエイターインタビュー #26
渡邉康太郎(takram)
http://6mirai.tokyo-midtown.com/interview/26/
六本木未来会議 編集部