TOUR REPORT

第15回六本木デザイン&アートツアー 松田朋春氏による「DESIGN TOUCH 2014」ツアー

第15回六本木デザイン&アートツアー 松田朋春氏による「DESIGN TOUCH 2014」ツアー

update_2014.11.5 / photo_tsukao / text&edit_kentaro inoue & yosuke iizuka

10月17日から11月3日まで、今年も東京ミッドタウンで開催された「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2014」。芝生広場に仕掛けの施されたたくさんの椅子が並ぶ「スワリの森 DESIGN×SCIENCE」や、クリエイターによる青空教室「森の学校 by 六本木未来会議」など、「デザインのスイッチ」をテーマに多彩なイベントが開催されました。アートフェスティバル「道後オンセナート2014」などを手がけるプランナー・松田朋春さんをガイドに巡ったツアーの様子をどうぞ。

手仕事寄りの作品が多いのは、時代の反映。
「Tokyo Midtown Award 2014」

「Tokyo Midtown Award」は、今年で7回目となる東京ミッドタウン主催のコンペ。プラザ地下1階の通路沿いに、デザイン部門とアート部門を合わせて、受賞作14作品が展示されています。

「アワードのコンセプトは『JAPAN VALUE』で、今年のデザインコンペのテーマは『和える』。いいテーマですよね。ラインナップを見ていると、セールスポイントがすごくシャープでわかりやすい。他の要素が削ぎ落とされていてインパクトもありますし、審査員は選びやすかったではないでしょうか」

「こちらはデザイン部門のグランプリを獲得した、hitoeというユニットの作品『和網』。食材に和柄の焼き目をつけられる焼き網です。これは商品化されたらかなり売れそうですね。私は今年のグッドデザイン賞の審査をしていますが、審査員って、一貫した基準で評価するためにどういうスタンスで見ればいいか、最初にすごく考えるんですよ。最初と最後で気持ちが変わっちゃう、なんてことはよくあるので」

「僕はこの作品が好きですね。柴田文江賞を受賞した、前田紗希さんの『婚鑑-KONKAN-』。片方に新しい姓、もう片方に旧姓を入れられる印鑑です。審査員ごとに賞を設けているので、それぞれの審査員のキャラクターも出ていますね。柴田さんは女性デザイナーですから、名字が変わることもある女性ならではの発想をピックアップしたのかもしれません。いいデザインですし、これがあればもし離婚しても大丈夫ですね(笑)」

「これまでにも応募作品のいくつかが商品化されていて、『富士山グラス』は製法が特殊なこともあって、生産が追いついていない状況だそう。また今年は『歌舞伎フェイスパック』を有名人がブログにアップしたこともあって、ブレイクしているようですね。こういうコンペって、賞をあげたあとが大事だとよくいわれますが、商品化をし続けているのはたいしたものだと思います」

「こちらはアート部門の優秀賞『The other』。いかにも"六本木狙い"という感じもしますが、かっこいいですね。アート部門は、東京ミッドタウン内に展示するというのが前提。もちろん美術館やギャラリーなどのほうが鑑賞には適していますが、どうしても足を運ぶ人は限られます。一方、こういった商業空間で展示するのは難しさもありますが、通りすがりの人にも見てもらえるというメリットがある。僕もそっちのほうが楽しいので、プランナーとして企画するときはなるべくそうしています」

「小林万里子さんによる『明日へ変わる』というテキスタイル作品です。こういった手仕事系の作品が、最近は増えてきていますね。僕は表参道のスパイラルが主催している『SICF(スパイラル・インディペンデント・クリエーターズ・フェスティバル)』に立ち上げから関わっていて、応募作品の傾向が毎年変わるのが楽しいんです。最近はクラフト寄りになってきているように感じます。これは、3Dプリンターなどのテクノロジーが普及しつつあることの、反動なのかもしれません」