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六本木未来会議アイデア実現プロジェクト#07「六本木未来大学」第18回「中村貞裕さん、 話題をつくるプロデュース術って何ですか?」講義レポート【前編】

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update_2018.10.10 / photo_masashi takahashi / text_azusa igeta

常に話題のスポットを創出し続ける、トランジットジェネラルオフィス代表取締役社長の中村貞裕さん。台湾発の大人気かき氷店「ICE MONSTER」、世界で注目を集めるチョコレートブランド「MAX BRENNER」などの海外で人気の飲食店や商業施設のプロデュースの背景には、中村さんの"ミーハーを貫く姿勢"がありました。2018年9月12日(水)に行われた、講義の様子をお届けします。

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1×100も、100×1も答えは同じ。自分に合う数式を見極める。

「僕はすごくミーハーなんです」と自身を称する中村さん。講義は、自身のルーツを語ることから始まりました。

「学生時代から好奇心旺盛でした。バスケやギター、料理など、具体例を挙げたらキリがないほどに、いろいろなことをやってきたのですが、はじめは夢中になっていても、少し上達してきたところでやめてしまうんですよね。つまり、熱しやすくて冷めやすい(笑)。すると20歳を過ぎたあたりから、僕がやめてしまったことをずっと続けていた友人が、スキルを活かして活躍するようになってきました。そんな彼らを見て『もし、自分も同じように続けていれば......』と羨ましく思う気持ちが、だんだんとコンプレックスに変わっていったんです」

そんな中村さんが、"ミーハー"というアイデンティティを肯定的に捉えることができるようになったのは、新卒で入社した伊勢丹で働いていたときのこと。

「先輩や同期から"デート向きのお店"や"今話題のトピック"を聞かれることが多かったんです。そこで気づいたのが、なんでも広く浅く知っていれば、トレンドに詳しい人だと思われること。それからは、ミーハーであることに自信が持てるようになりました」

来場者に向けて、中村さんは自著『ミーハー仕事術』から「影響力のある仕事をするために、大切にすべきこと」を引用して話を進めます。

「自分の目指す到達点が"100"ならば、それを導くために、自分がストレスなく解ける数式を立てることが大切です。僕は、"1"を100個持っているので『1×100』。逆に、ひとつのことを極めている人は『100×1』の数式で、"100"を創造しているんです。

さらに二足のわらじを履いて『2×50』の人もいますし、正しい数式は存在しません。まずは自己分析をして、自分に合った数式を見つけることが大切です。僕の場合は、周りのミーハー仲間と『1×100×5=500』を創造して、さらにプロフェッショナルと組んで『1×100×5×100=10,000』を実現しているんですよね」

【クリエイティブディレクションのルール#1】
自己分析をして、ストレスのないやり方で100を目指す

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アウトプットは筋トレと同じ。続けることで、目利きになれる。

話題の喚起に、まず必要となるのがマーケティングです。そこで、中村さんは、トランジット流のマーケティング術を明かしてくれました。

「僕たちがひたすら心がけているのは、情報を集めまくること。僕は、週に1〜2回は近所の本屋に行ってありとあらゆる雑誌に目を通し、最新のトレンドを探っています。SNSで気になるものはスクリーンショットを撮っていますし、ミーハー仲間と定期的に情報交換をしています。さらにお金と時間に余裕があれば、インプットした情報の中から気になる場所をピックアップして、国内外問わず視察もしています。すごく狭いと思っていたお店が実は巨大だったり、人気店かと思えば寂れていたりと、写真のイメージとまったく違う場合も多いんです。なので、なるべく自分の目で確かめるようにしています」

「何が話題になるのか」を見極めるためには、目利きにならなくてはいけません。中村さんは「アウトプットを大切にしている人が、目利きになる」と説きます。

「たとえば、Instagramにおいしいグルメ情報をアップし続けている人のもとには、おいしいお店の情報が入りやすくなります。良い情報を出せば出すほど、質の高い情報が入ってきやすくなるんですよね」

トランジットのプロデューサーチーム間では、常に「アウトプット合戦」が行われていて、彼らのLINEグループには「おいしいお店」や「気になる場所」の写真が飛び交っているのだとか。

「アウトプットは、筋トレと同じです。アウトプットを続けていると、質の高い情報に反応する筋肉が鍛えられる。アウトプットを日常的に続けることで、ジムに1年間通い続けたような達成感を味わえるので、おすすめです」

【クリエイティブディレクションのルール#2】
「インプットしたらとにかくアウトプットする」を繰り返して、目利きになる

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