PROJECT REPORT インタビューで得たクリエイターのアイデアを、リアルな場で実現する「アイデア実現プロジェクト」

アイデア実現プロジェクト#02 6×6 ROPPONGI DESIGN & ART MAP by トラフ建築設計事務所 【後編】

update_2013.11.27 / photo_ ryumon kagioka + rewrite / text&edit_yosuke iizuka

「デザインタッチ・カンファレンス」講義レポート
クリエイターの視点と使う人の視点、"新しい地図"が街を変える。

Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2013」で行われた、クリエイターによる1日限りのデザインスクール「デザインタッチ・カンファレンス」。その特別講義として、トラフ建築設計事務所のお二人による「6×6 ROPPONGI DESIGN & ART MAP」の発表が行われました。これまでお伝えしてきたように、このマップは、6組のクリエイターが6つのテーマを切り口に六本木を紹介するというもの。アイデア実現プロジェクト02の締めくくりともなったこのイベント、お手元にマップ(ダウンロードはこちら)を用意してお楽しみください。

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 事前登録制の今回のイベントに登録した人数は、およそ160名。当日は台風の影響があったものの、多くの人が会場に足を運びました。講師として、トラフのお二人に加え、マップの編集を担当した加藤純さんも登壇。3人のお話は、今回のプロジェクトがスタートしたきっかけ、そこにつながるこれまでの活動や作品の紹介からはじまりました。

トラフ結成時から構想されていた「地図」というアイデア。

加藤 さっそくですが、今回のマップ制作のきっかけは?

鈴野 六本木未来会議のインタビューで「六本木を変える」というお題に沿って出したアイデアのひとつが、今回のマップの元になりました。それが1年くらい前の話なのですが、最近になって急に「あのアイデアを実現させましょう」と言われて。完全に忘れていたんですけどね(笑)。今回のデザインタッチのテーマ「デザインを探しに行こう。」にぴったりだし、面白そうだなと思って。

photo_daici ano

加藤 もっとさかのぼると、目黒にあるホテル、クラスカのリノベーションがきっかけかもしれません。

禿 もう10年くらい前の話ですね。長期滞在者のための客室3室の改装を手がけたところから、トラフとしての活動がはじまりました。

鈴野 当時、クラスカの上の階に加藤さんが住んでいたんです。僕らも目黒に通うようになって、街の面白いところがだんだん見えてきて。そういう情報を地図にして、ホテルのお客さんに教えてあげられたらいいねって話していたんですよね。

加藤 まだ若かりし頃で、結局実現はしませんでしたけれど。トラフは、こんなふうに建築やプロダクトをはじめとして、いろいろなプロジェクトの積み重ねでここに至っています。

photo_Fuminari Yoshitsugu

風景や環境を大きく変える"小さなきっかけ"づくり。

鈴野 これは2年前のデザインタッチでつくった「ガリバーテーブル」。設置した芝生広場は、一見フラットに見えるんですが、実はゆるやかな傾斜があるんです。その気づきを引き出すために、長い水平なテーブルを置きました。端はベンチになっていて、傾斜にしたがって徐々にテーブルの高さになり、最後は屋根のようになっていく。

禿 いわば定規ですね。あるものをポンと持ち込むと周りの環境が引き立つ、スイッチみたいなもの。

鈴野 幸せな空間や時間をシェアしながらも、それぞれ異なるアクティビティを誘発するような仕掛けです。ちょっとしたきっかけで人の目線は変わる。すると、それまでとは異なる風景や環境が浮かび上がってくるんです。

illust_yosuke yamaguchi

鈴野 これは、2012年に出した絵本です。緑色で描かれているのが僕らをキャラクター化したもの。

禿 『トラフの小さな都市計画』という本で、個人レベルの都市計画をテーマにしています。街を潜望鏡でのぞいているイメージのシーンがあるんですが、つまり見方が変われば風景がまったく違く見える、そんな見え方がガラッと変わるような仕掛けを発見しよう、街に仕掛けを施しにいこう、という内容です。

加藤 そのあたりの発想は、今回のマップにもつながっていますね。

鈴野 僕らが皇居の周りにつくった、ランナーのための着替えやシャワーができる施設「RunPit」もそうです。その施設があることで、ただの道路がランニングコースになる。

禿 仕掛けは単純なほうが驚きがありますね。ほんのひとつの点で体験が変わる。

加藤 建築とか都市計画というと、大きなものになりがちです。

鈴野 そんなに巨大なものが必要なのかなと思うんですよ。既存の建物や施設はたくさんある。だったら、それをリノベーションするほうが近道ではないか、と。

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