戦後の高度成長期、日本では国家規模のイベントが続き、国際化が推進されましたが、今日再びそのような気運が高まっています。その間、現代美術の世界でも、脱植民地主義、多文化主義などさまざまな議論が重ねられ、ビエンナーレやアートフェアなど新たな場が拡がりました。なかでも近年のアジア経済の台頭は目覚ましく、この地域に新しい美術館や市場を生み出しています。
本展では、この間に日本という枠を越えて広く国際的に活躍し、今日、多様な地域や世代から高い評価を得るアーティスト6名を選び、その軌跡を初期作品と最新作を中心に紹介します。彼らの実践は世界からいかに評価されてきたのか。国境や文化を越えた普遍的な課題の追求、伝統や美学、テクノロジーやサブカルチャーなど、日本固有の社会的、文化的、経済的背景をふまえて探ります。
また、1950年代から今日まで、海外で開催された主要な日本現代美術展に関する資料も展示し、それぞれの時代の評価軸や系譜を検証します。
出展アーティスト(※姓のアルファベット順)
草間彌生、李禹煥(リ・ウファン)、宮島達男、村上隆、奈良美智、杉本博司