ニキ・ド・サンファル(本名カトリーヌ・マリー=アニエス・ファル・ド・サンファル、1930-2002)は、戦後を代表する美術家のひとりです。フランスに生を受けたニキは、少女時代を過ごしたアメリカや母国フランスの抽象絵画に影響を受けるなど独自のスタイルを作り上げていきました。そして、1961年に発表した「射撃絵画」で一躍その名が知られることになります。絵具を入れた缶や袋を石膏によって画面に付着した絵画に向けて銃を放つことで完成する「射撃絵画」は、絵画と彫刻の両方の要素を兼ね備え、また制作行為そのものがパフォーマンス・アートの先駆例として美術史上高く評価されています。その後ニキは女性の表象への関心を強め、「ナナ」シリーズでは鮮やかな色彩と伸びやかな形態を用いて解放的な女性像を示し、今日まで多くの人々に愛されています。このほかにもニキは舞台や映画の制作を手がけ、また、「タロット・ガーデン」と称する彫刻庭園に代表されるように建築デザインにも積極的に取り組み、美術家として様々な活動を展開しました。そして1980年代からは、栃木県那須高原に建てられたニキ美術館(2011年に閉館)創立者の故Yoko増田静江氏と交流を持ち、日本とも特別な関係を築いていきました。
2014年秋にパリのグラン・パレで開かれた大規模な回顧展では約60万人の観客を集め、大きな話題となりました。本展ではその要素を取り入れながら、国内外の主要作品を集めた日本独自の展覧会となります。初期から晩年までの多様な創作の軌跡をたどる国内史上最大規模の大回顧展です。
会期
2015年9月18日(金)~12月14日(月)
開館時間
10:00~18:00
※金曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
休館日
あり(毎週火曜日休館 ただし、9月22日(火)および11月3日(火)は開館、11月4日(水)は休館)
入場料
1,600円(一般)、1,200円(大学生)、800円(高校生)