TOUR REPORT

第13回六本木デザイン&アートツアー バイヤー山田遊氏と巡る六本木ストアツアー

第13回六本木デザイン&アートツアー バイヤー山田遊氏と巡る六本木ストアツアー

update_2014.9.17 / photo_tsukao / text&edit_kentaro inoue & yosuke iizuka

今回の六本木デザイン&アートツアーで巡ったのは、六本木にある3つのショップ。イデーを経て独立し、現在はフリーランスのバイヤーとして活動している山田遊さんをガイドに、「テネリータ」「c:hord(コード)」「IMA CONCEPT STORE」の3店舗を訪れ、商品セレクトはもちろん、ブランディングや内装、ディスプレイまで、山田さんがプロ目線で語りました。その様子を、写真とコメントでお届けします。

商品の魅力を伝えるための、店頭プレゼンテーション。
ライフスタイルショップ「テネリータ」

最初に訪れたのは、東京ミッドタウン3階にあるライフスタイルショップ「テネリータ」。こちらは、山田さんが直近でバイイングを手がけたショップです。

「僕はいわば雇われバイヤーとして活動していて、出店の相談を受けると、まずお店のコンセプトを考え、デザイナーを選んで全体のディレクションをします。こちらのテネリータさんは、その逆のパターンで関わったお店。10周年を機にリニューアルしたんですが、アートディレクターを務める水野学さんから声をかけていただき、商品セレクトに携わっています」

「私たちテネリータは、2003年に立ち上げたブランドで、オーガニックコットンのタオルを中心に販売しています。今回のリブランディングでは、お客様の生活が豊かになるような雑貨を含めたブランドにしていくということで、山田さん、水野さんにご協力いただきました」(テネリータ 岡野さん)

「今の岡野さんの言葉どおり、テネリータの主力商品はタオルです。そこで、生活の中でタオルが使われている場面を想像してみると、その場所は限られてくるんですね。お風呂場や脱衣所、洗濯機、キッチン、トイレ、いわゆる水まわりといわれるところ。だからタオルだけを押すよりも、そういった"モイスチャー"が感じられる商品を選びましょうと提案しました」

「インテリアショップでは、水まわりの商品は奥のほうに置いてあったりしますが、タオルを主軸にしたお店なら、逆にそういう商品を前に出してみようということです。たとえばアイロン台やタオルハンガー、水野さんが主宰されている「THE(ザ)」というブランドのグラスも、水周りに関係しているという意味でOK(笑)。生活の中で関連性がある雑貨を選んで、タオルと組み合わせつつ展開しています」

「僕らは商品セレクトだけではなく、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)、つまり商品陳列についても提案しています。このお店は、向かって右側から人が流れてきます。その視線の正面にあるのが、VP(ビジュアルプレゼンテーション)といわれる場所。ここに一番見せたい主力商品を、生活感が感じられるようにディスプレイしています。お店に入ると左手に新作商品が並んでいて、さらに奥の生活雑貨につながっていくように」

「奥まで足を運んでもらうことが、お店への理解や購買につながるので、こうして一周してもらえるような動線を設計したり。単純にバイヤーといっても、商品を選んで終わりというわけではなくて、その見せ方や、どう手にとらせるかといったことまで考えて、ひとつのお店をつくっているんです」

「ちなみに、テネリータのスタッフのみなさんは、タオルを畳むのがめっちゃうまいんですよ(笑)。もちもちした触感が感じられるし、ロゴもちゃんと見えている。細かいことですけど、こういった商品を見せる環境や接客などを含めて、総合的にお店は成り立っています。オープンしたらそれでフィニッシュではなく、むしろそこからがスタート。日々、改善を加えていくという感じでしょうか」

「最近は今治タオルが有名になりましたが、どこがいいのかと聞かれると、実はよくわからないという方も多いでしょう。テネリータのタオルも今治産で、オーガニックのかなり高い国際基準を満たした商品をつくっているのですが、非常に質が高いというところまではなかなか伝わらない。今後は、わざわざ『今治』と言わなくても『テネリータのタオルはいい』と認識されるようになってほしいと思っています」

「僕もこのタオルを使っていますが、水の吸収がすごくいいんです。実際に自分が使ってみていいと思えないと、仕事としてやろうとは思いません。そのよさを伝えるために、整体じゃないですけど、少しだけ背中を押したり、骨盤の歪みを治してお店を健康にしてあげるという感じですね」