PROJECT REPORT インタビューで得たクリエイターのアイデアを、リアルな場で実現する「アイデア実現プロジェクト」

六本木未来会議アイデア実現プロジェクト#17 「六本のアートの木」Vol.1 木の木 by PARTY NY 川村真司 PROJECT REPORT

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「木」が育っていく過程を楽しんでほしい。

 川村さんの作品の多くはデジタルやインタラクティブな技術をうまく活用されています。この「木の木」にデジタルの要素を加えるとしたら? という質問に、川村さんは「この作品にはデジタルを入れる必要はありません」と答えます。

「この作品は、リアルな生きた木が自然ではなり得ない造形のまま、生きて育っていくことに意味があります。リアルな木の生命力がそのままアイデアになっているので、そこにデジタルが介在する余地はありません。普段からも心がけていることですが、アナログだけで十分なアイデアには、無理に新しいデジタルテクノロジーを入れる必要はないんです。テクノロジーはあくまで、伝えたいメッセージやアイデアを、拡張したり強化できるときにだけ使えばよくて、本当は余計なことをしないものの方が強いんです。だから『木の木』に関しては、これで十分」

 ただし、「木の木」が完成した後にSNS上でシェアされることが、デジタルが生み出せる価値だと言います。

「この企画は、SNSでシェアしやすいという点においては、唯一デジタル的と言えるかもしれませんね。普段から作品に触れる人をどう巻き込むのか、どう接点を設けるのかということを事前に計算してアイデアを考えるようにしています。おもしろい作品をつくることだけではなく、作品を取り巻く環境や、オーディエンスとのインラタクションなど、全体としてどのような体験を生み出せるのかということがとても重要です」

 足を運んで触れた人が、どういう体験を通して喜んだり驚いたりするのか。そしてそれを誰かに広めたくなるか。それは今後の「六本のアートの木」プロジェクトでも共通することなのかもしれません。

「訪れた人がそれぞれの方法で『木の木』を楽しんでもらえればいいですね。木のポーズをして並んで写真を撮ったり、シーズンによってはクリスマスや正月の飾り付けをしたり。あと5本の木が六本木に出現するはずですから、例えばGoogle Map上で次の木を植えたい場所を投票できたり、六本木になぞらえて6年に1度木に関わる企画をしたりと、デジタルメディアをうまく活用して人を巻き込んでいきながら盛り上げられたらおもしろいことができると思いますよ」

「木も生長していくので、六本木に来るたびに友だちに会うような感じで付き合ってくれれば嬉しいですね。なにげなく待ち合わせができるような日常的な場所として馴染んでいくことで、『木の木』を通して人が集まってつながり、未来につながっていければありがたいです」

「六本のアートの木」プロジェクト、残り5本はどのような木になるのでしょうか。「こんな木が六本木にあったら」というみなさんの意見を投票にて募集する企画も考案中。詳細が決定したらまたご案内する予定です! お楽しみに。

information
アイデア実現プロジェクト#17「六本のアートの木」Vol.1
【名称】「木の木」
【デザイナー】川村真司 (PARTY NY)
【素材】キンメツゲ(モチノキ科/モチノキ属)/ 生垣やトピアリーなどで使用される樹木。暑さ寒さや病害虫に強く、常緑。白く小さな花を咲かせる。
【場所】東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン内
【植樹日】2018年7月30日
※現在芝生養生中のため柵が設けられていますが、芝生が根付いたら取り外します。それまでは柵の外から「木の木」をお楽しみください。

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