PROJECT REPORT インタビューで得たクリエイターのアイデアを、リアルな場で実現する「アイデア実現プロジェクト」

六本木未来会議アイデア実現プロジェクト#07「六本木未来大学」第18回「中村貞裕さん、 話題をつくるプロデュース術って何ですか?」講義レポート【前編】

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1番手じゃなくても、ブームをつくることができる。

中村さんが、独立後はじめて手がけたのは、かつて外苑前にあったカフェ「OFFICE」。このカフェの成功で17年前、中村さんは「カフェブームの火付け役」として、一躍有名になりましたが、当の本人である中村さんは違和感を覚えたといいます。

「"ブームの火付け役"として注目されることに、ずっと違和感があったんです。『OFFICE』は駒沢公園にあるカフェ『バワリー・キッチン』に影響を受けてつくりましたし、パンケーキもハワイやニューヨークでは日常的に食べられていましたから。僕はブームを0からつくったわけではなかったんですよね」

しかし、ブームは世間が決めること。1から10のものをつくっても、最終的には0から1をつくったように見えるのだと気づいた中村さんは「トランジット流のブーム」を定義していきました。

「僕たちは、1から10をつくることを『ブーム』と定義しています。ブームをつくるためには、1番手じゃなくてもいい。マラソンでたとえるところの"1位集団"に入ることができれば『ブームをつくった』といえますから。さらに、海外ですでにブームになっていたものだとしても、日本ではじめてブームになれば、ブームの火付け役になることができるんです」

「1→10」の思想は、会社の活性化にもつながっているのだそう。

「『1→10』を推奨することで、社員のみんなから意見が出やすくなっていますね。僕たちのように"話題をつくること"を目指す会社であれば、『0→1』の発想法よりも、みんながアウトプットしやすい状態をつくる方が大事だと思います」

【クリエイティブディレクションのルール#3】
0→1の発想より、1→10を目指す

「ブーム」と「スタイル」にアンテナを張り、変化を敏感に察知する。

カフェブームが巻き起こってから3年ほど経った頃、雑誌で「カフェブーム終了宣言」といった特集が組まれるなど、流行は終焉を迎えたかのように見えました。しかし、カフェの客足が途絶えることはなく、売り上げは好調だったそう。ちょうどその頃から、アパレルブランドなどの他業種もカフェ事業を始めるようになりました。これは「ブームがスタイルに昇華した瞬間だった」と中村さんは振り返ります。

「ブームは終わりますが、スタイルになればライフスタイルとして定着します。なので僕たちは、既にブームになっているものでかつ、スタイルに昇華しそうなものも常に探しているんです」

一時はムーブメントを形成したものの、スタイルまで至らず廃れてしまうものも存在します。それでも中村さんいわく、そうしたものは「必ずと言っていいほど、再ブームになる」のだそう。

「エンターテインメントでいえば、アイドルブーム。昔おニャン子クラブが一世風靡したのと同様、時を経た2000年代に、AKB48が再び大ブームになりました。80年代に人気だったサーフィンも、ロンハーマンの登場以降、再注目されましたよね。他にもいろいろありますが、過去に大ブームになったものは、アップデートされて再びブームになっています。だから僕たちは、常にブームとスタイルをリサーチしているんです」

【クリエイティブディレクションのルール#4】
「ブーム」と「スタイル」の動きに敏感になる

  

後編はこちら

【information】

「中村貞裕さんの講義を復習してみよう」
六本木未来大学アフタークラス

【講師】横石崇(「TOKYO WORK DESIGN WEEK」発起人/オーガナイザー。&Co.Ltd代表取締役)
【開催日】2018年10月24日(水)
【時間】19:00〜21:00(予定)
【参加費】2,000円 
【受付】お申し込みはこちらから ※外部サイトへリンクします
【場所】東京ミッドタウン・デザインハブ(ミッドタウン・タワー5F/東京都港区赤坂9-7-1)


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