PROJECT REPORT インタビューで得たクリエイターのアイデアを、リアルな場で実現する「アイデア実現プロジェクト」

六本木未来会議アイデア実現プロジェクト#07 「六本木未来大学」第10回 「齋藤精一さん、プロジェクトを成功させるディレクションって何ですか?」講義レポート【後編】

これまで、さまざまなプロジェクトを例に進められてきた講義も、いよいよ結論へ。最後には、齋藤さんが現在、興味をもっているいくつかのことを話してくれました。もっとも注目しているのは、今後、東京がどのようにアップデートされていくかということだそうです。

今、東京が、日本が思っていること。

「ここ東京ミッドタウンも10年目ですが、ここ10年の間に、虎ノ門、日本橋、池袋、羽田空港跡地など、いろんなところで都市開発が始まっています。ただ、気になるのは、それぞれが独自に動いて、歩調を合わせることなく進んでいるように思えること。だから、最近はそういう情報を根こそぎ集めていますね。そのほか、都市の3D化の可能性を探ったり、1964年の写真を収集して、当時の3Dデータをつくる試みをやっていたり。いろいろなことをやっています」

そのうちのひとつが、六本木アートナイト2015で行った、Googleトレンドなどさまざまなパブリックデータを収集して「六本木の今」をビジュアル化したプロジェクト「六本木データオブマインド」を進化させた「City Ai」というプロジェクト。

「"街がもし話せたら"ということでやったプロジェクトは、すごく難しい面もあるのですが、ぜひSNSなどを使って続けていきたいと思っています。これは実際にR&Dがスタートしています。今、東京が、もしくは日本が何を思っているのか。それを知りたいですね」

10年後には、何をしているのかわからない。

そして、最後に話してくれたのが、齋藤さんが息子から投げかけられたという、ある問い。

「息子が5歳のとき、公園で遊んでいたら『お父さんって大きくなったら何になるの?』って言われたんですよね。『お父さん、比較的大きいけど』みたいな話なんですが(笑)。でも、実際に今の時代は10年後にどうなっているかわからないし、寿命が90歳、130歳になるということを考えると、あながちおかしな問いでもない。10年前に、都市3D化の可能性を探っているとまったく思っていませんでしたし、都市3Dのスキャン方法がこれだけ発達しているとも思っていませんでした。iPhoneのような、CPUもネットワークもカメラも積んでいるデバイスがみんなのポケットに入っているとも思っていませんでしたし。だから、未来ではバック・トゥ・ザ・フューチャーみたいに車がばんばん空を飛んでいるかもしれないし、今から先のことを構える必要はないと思っているんです。それよりも、今の状態にどれだけ早く対応することができるか。それが一番大事かなと思っています」

【クリエイティブディレクションのルール#10】
10年後よりも、今の変化に対応する

「クリエイティブディレクションで大事なのは、自分が何者なのか、自分のバックグラウンドは何で、今自分は何に興味を持っているのかをさらけ出していくことだと思います。自分の専門性だけでなく、趣味は何なのかとか、何に興味があるのか。知識、思考、回路、友達、チーム、技能、技術、人生、すべてを道具として使って、自分は何をすべきかを考えてほしい。いいアイデアを出すことはもちろん大切ですが、それは訓練すればできるようになります。それよりも、さまざまな個性をもつ人一人ひとり、みんなが同じ方向を向いて、チームでものをつくることが、プロジェクト成功の最大の秘訣だと思うんです」

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