PROJECT REPORT インタビューで得たクリエイターのアイデアを、リアルな場で実現する「アイデア実現プロジェクト」

六本木未来会議 アイデア実現プロジェクト#11「街中こいのぼり by 須藤玲子」

ここからは、5月3日(火)に行われたワークショップ「オリジナル街中こいのぼりをつくろう」の様子をレポートします。この日はゴールデンウィーク真っ只中、晴天に恵まれたのんびりとした雰囲気の中で、20人の参加者が思い思いにこいのぼりを縫い上げました。会場となったのは、芝生が広がるミッドタウン・ガーデン。講師は、もちろん須藤さんです。

青空の下、ミシンで、手縫いで、こいのぼりづくり。

ワークショップの内容は、胴体、背びれ、胸びれ、腹びれに使う布を自由に選んで縫い合わせるというもの。用意されたのは、須藤さんがデザインディレクターを務める「NUNO」のテキスタイル約20種類、型紙に合わせてカットされた、素材も柄もさまざまな布がテーブルに並びます。参加者のみなさんが集まったら、まずはテキスタイル選びからスタート。

布を選んでテーブルに着いたら、須藤さんやスタッフの方の手ほどきを受けながら、さっそく縫い合わせていきます。須藤さんいわく、パーツの組み合わせに個性が出るとのことで、みなさんの布の組み合わせ方は実にさまざま。「子どもを針に触れさせたくて」と参加した親子は、お子さんは柄の面白さ、お母さんは素材感で選んだと話してくれました。

会場にはミシンも用意。こちらはアイシン精機株式会社の「OEKAKI50」という家庭用ミシンで、その名のとおり絵を描くように刺繍できる一台。2016年のミラノサローネ期間中にもミラノ市内で出展し、全長6キロに及ぶタペストリーの展示とともに話題を呼びました。「ミシンを通して、ものづくりの楽しさに触れてほしい」と話すのは、この日のワークショップを担当していたアイシン精機の吉田憲司さん。写真のように、絵だけでなく文字の刺繍もでき、参加者のみなさんからも人気を呼んでいました。

「ミシンって、押し入れにしまいっぱなしになりがちでしょう? でも、こういうものづくりの道具がなくなっちゃいけないって思うのです。だから、テーブルに出しておけるデザインで、みんなで囲んで使って、コミュニケーションが生まれるような使い方ができるようにと思ってつくりました。最近のミシンは、ボタンひとつで刺繍ができるけれど、この機種はあえて練習して使いこなす機能としています。慣れれば自由に刺繍できるし、上達する喜びが感じられる。ものづくりを楽しむ心って、人はみんな持っていると思うんです」(アイシン精機・デザイン部長 岡雄一郎さん)

スタートしてから約1時間、最初は慎重だった参加者のみなさんも、「縫う、という行為が久しぶりだったので、すごく楽しい!」と、この頃にはすっかり夢中に。それぞれのオリジナルこいのぼりが次々に完成し、最後は全員で記念撮影。

「今日は本当に楽しい時間を過ごせました。みなさん一人ひとり、世界に一つだけのこいのぼりができたと思います。家に帰ったらこいのぼりを飾って楽しんでください。お渡しした型紙で、家でも小さくなって着られなくなった服などでもつくってみてくださいね」

終了の時間が近付くと、須藤さんからこんなあいさつが。「また来年もやりましょうか?」という問いかけに、みなさんからわっと歓声が上がっていました。

夢中になったのは、きっと「自分でもつくれる」ことに気づいたから。

「青空の下で気持ちよく、布と糸のことだけを考える時間を過ごせたのが、すごくよかったと思います。こいのぼりって風が吹くと生き生きするでしょう。自分がつくったものが泳ぎ出すっていう感覚が面白いですよね。その点でも、屋外はぴったり。みなさんが夢中になったのはきっと、衣食住のうち『衣』も自分でできるのだって、あらためて気づいたからじゃないかな。そういう感覚って、本来人間に備わっている機能みたいなものだと思うのです」

【information】

六本木未来会議アイデア実現プロジェクト#11
「街中こいのぼり ワークショップ 2018」


国立新美術館で開催中の「こいのぼりなう!」の作家テキスタイルデザイナー須藤玲子さんを講師に迎え、世界にひとつだけのオリジナルこいのぼりをつくります。できあがった作品をみんなで街中で泳がせて、景色が変わることを一緒に楽しんでみましょう。

【日時】2018年5月26日(土)14:00~15:30
【会場】東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
※雨天・荒天の場合はプラザB1Fで実施します。
【参加クリエイター】須藤玲子
【定員】先着20名
【料金】無料
【URL】http://www.roppongiartnight.com/2018/programs/10095

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