PROJECT REPORT インタビューで得たクリエイターのアイデアを、リアルな場で実現する「アイデア実現プロジェクト」

六本木未来会議アイデア実現プロジェクト#17 「六本木に6本の木を植えよう by 小山薫堂」

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デジタル×木で、森の美術館を。

 3本目は、"鳥が集まる木"。ただし、エサを撒いて野鳥を集めるのではなく、本当はいないのに鳥の声が聞こえたり、あるいは鳥の姿だけが見えたりするなど仕掛けをつくるというアイデアです。

「パナソニックの"リンクレイ(LinkRay)"という技術があって、昔は『光ID』と呼ばれていたのですが、街で使われているさまざまな種類の明かりや光(LED光源)を、スマートフォンのカメラで読み取り、情報を入手するというソリューションが使えたら、表現の幅が広がるかもしれません。だってQRコードだと、QRコードがあるところにいっせいにカメラを向けないといけないのが、ややダサいじゃないですか。LinkRayならそれがない。例えば、木をライトアップする照明に情報を仕込み、来た人にその情報をスマホで読み取ってもらうことで、鳥の鳴き声や姿が表示されたり、LED1個だけ"アタリ"を仕込んでゲームにしてみたり、アーティストの作品が切り替わって、見た目は木なのに、スマホをかざすといろいろと見えてくる"木の美術館"というテーマにするのもおもしろいと思います」

アイデアその③ 美術館になる木

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"オレンジ・パティシエ"という称号が六本木のニュースを生む。

「僕がやっぱりすごいなと思うのは、フランスの有名なシャトーで、ワインのラベルを有名な画家に描かせている『シャトー・ムートン・ロートシルト』の、"ラベルの絵をいかに有名画家に描かせるか"というアイデア。1970年にシャガール、1973年にピカソ、1975年にアンディー・ウォーホールなど、名だたる芸術家たちを指名して、その作品の報酬として画家本人が描いたラベルのワイン12本と、好きなヴィンテージのワイン12本の計24本を贈る。これが芸術家にとっては非常に栄誉なこととして認知されるようになり、こうして画家にとっての目指すべき場所、ブランドになっていった、というストーリーがすごくかっこいいなって思うんです。これを六本木でやるとしたら、フルーツの木を植えるのがおもしろいのでは」

 なかでもオレンジは比較的育ちやすくて調理にも適しているのでは、と話します。

「六本木の街でパティシエのアワードをつくり、その年の最優秀パティシエ『オレンジ・パティシエ』に選ばれた人は、賞品として六本木の木から収穫したオレンジを受け取ることができ、それでスペシャルなスイーツをつくってもらうというアイデアです。すごく限定した数にしかならないかもしれないけど、オレンジピールを使ってチョコレート菓子をつくる人がいるかもしれないし、果肉を使ってムースをつくる人がいるかもしれません」

「今年のオレンジ・パティシエって誰になるだろうね」と人々の話題になり、1本1本の木がニュースを生むことを期待して。「それによって六本木で活躍するパティシエを育てることができたらいいですね」

アイデアその④ 次世代のカリスマパティシエを育てるフルーツの木

INTERVIEW