PROJECT REPORT インタビューで得たクリエイターのアイデアを、リアルな場で実現する「アイデア実現プロジェクト」

六本木未来会議アイデア実現プロジェクト#16 「生命感あふれるアートプロジェクト」by 小林武史

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一瞬の表情に込めたものは。

実際に六本木で開催してみて、あえてこの都会で生命感を表現できたのでしょうか。小林さんは「成功だった」と答えます。

「僕が想像していたよりも、人間が持っている自然みたいなものが、都市に溶け出している感じがしました。もともと豊かな人間の表情も、人はつい記号化して見てしまうことがあるのかもしれません。都市のなかで、あるいは都市でなくとも、その都度人の表情に反応していくのは大変なことでしょう。だいぶ大きめの画角で見る人の表情というのは、単純におもしろさを伝えてくれるし、被写体になった人たちも、その瞬間に何かを込めているのでしょうね。その"何か"の連鎖がおもしろいし、作品性なのでしょう」

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クリエイターインタビューでは、「アートができる役割、可能性を感じながら、この場で生きている、生きていくという生命感、実感をもたらしていきたい」と話していた小林さん。2日間、六本木には24時間さまざまなアートがあふれており、小林さんはほかのアーティストの作品にも、生命感を感じたと言います。

「『DUNDU(ドゥンドゥ)〜光の巨人〜』や松本千里さんの『Chain Grown』などは、"生"を感じられてとてもおもしろかったです。都市におけるアートの役割が進化している気がしています。やる側も受け入れる側も、ひと昔前のアート好きな人たちという枠を超えたグルーブが、どんどん生まれてきていると感じました」

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ドイツ、シュトゥットガルトを本拠地とするパペットシアター・カンパニー「DUNDU」による巨大パペットのパフォーマンス『DUNDU 〜光の巨人〜』。(写真:©六本木アートナイト実行委員会)

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染織を専門とし、その技術を活かして作品を制作する松本千里さんの、「芽生え」を表現した作品『Chain Grown』。(写真:上條泰山)

夜通し行われる大規模な祭典では、たくさんの人の笑顔や好奇心が渦巻いています。アート好きな人も、通りがかりの人も六本木を行き交い、この日、街中でさまざまな人の"生"が混ざり合っていました。

アイデア実現プロジェクト第16弾の初回となった「インサイドアウト・プロジェクト」では、人種も性別も年代も超えた人々による壁一面のポートレートが、「今、私はここで生きている」ということを強力に訴えかけていたように思えました。今後も生命感のあるアートプロジェクトを都市で展開するプロジェクトを続けていきます。次回をお楽しみに。

INTERVIEW