PROJECT REPORT インタビューで得たクリエイターのアイデアを、リアルな場で実現する「アイデア実現プロジェクト」

六本木未来会議アイデア実現プロジェクト#04 森の学校 by 六本木未来会議 PROJECT REPORT【前編】

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"クソリプ妖怪"と"妖怪原点回帰"の大きな違い。

次のステップとして、それらの疑問を生み出している妖怪の姿を絵で表現することに。その際の注意点として、またまた川田さんからユニークな例が。

「まず悪い例から。Facebookなんかをやっていると、わざわざ断る必要ないのに『シェアさせていただきます!』と言ってくる人がいるよね。Twitterだと『FF外から失礼します』とか。これらは"クソリプ妖怪"といいます(笑)」

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次にいい例として、おそらくまだ川田さんしか発見していないという、とっておきのネタを披露。

「最近セブン-イレブンが、『ありがとうおでん』というキャッチコピーを打ち出しているんだけど、ついにお客さんじゃなくて、おでんそのものに感謝し始めちゃってるんだよね(笑)。たぶん会議とかで考えすぎた結果、いろんなサービスを始めてみたけど、やっぱりおでんが一番すごいから、ストレートな気持ちを出そうよっていう妖怪のしわざなんです」

その名も、"妖怪原点回帰"。

「何が言いたいかというと、クソリプ妖怪はSNSを使っていない人には理解できないから、物語として伝わりにくいし、共感されにくい。だけどコンビニだったら、みんな行ったことがあるからイメージしやすいですよね。自分たちの考えた妖怪にフォルムを与えながら、別の場所でも作用するような物語を考えてみてください」

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妖怪をヴィジュアル化して物語として運用させる。

妖怪をヴィジュアル化し、なおかつ物語を加えていく作業は、チームによってアプローチもいろいろ。何パターンも描き起こして、みんなが納得できるイメージに近づけていこうとするチームもあれば、妖怪のイメージがどんどん膨らんで、シリーズ化できそうなくらい壮大な物語が生まれているチームも。こうして誕生した、5つのチームの力作を紹介しましょう。

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チーム1:靴下妖怪
小さい妖怪が10匹くらいチームになって動いている。光学迷彩が仕込まれていて、人がいるときは床や靴下などの色と同化して目立たないが、人がいなくなると元の姿に戻る。靴下以外に洗濯ばさみやヘアピン、イヤリングなどを隠すことも。日本だけでなく世界中にチームがいるらしい。

チーム2:ラブのすけ
どこに出没するかわからないため、突然恋が始まる。この妖怪に取り憑かれて好きな人ができると、めちゃくちゃハッピーに。人にも優しくなって、体が地面から1ミリ浮く。今回のアートナイトにもたくさん出没するという噂が......!

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チーム3:くしゃみ妖怪
世界中のみんなにくしゃみをさせる妖怪。ビュンビュン飛んで、いろんな人にくしゃみをうつしてしまう。

チーム4:アルバルーン
アルバルーンの「アル」は、アルコールのアル。体にたくさんバルーンがついた妖怪で、お酒の席にふと現れる。バルーンのなかにはいろんな感情が入っていて、お酒と一緒に人に吸わせることで、ラーメンが食べたくなったり、怒りっぽくなったり、ハッピーになったりしてしまう。

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チーム5:早乙女&斉藤
酔っぱらいに取り憑く2種類の鬼。真面目な酔っぱらいに憑く鬼が早乙女で、酔っ払うことが好きな人に憑くのが斉藤。早乙女に憑かれるとまっすぐ家に帰って、家族のために夜中にご飯を炊く。だけどそのご飯を自分で食べてしまって、次の朝、家族から怒られる羽目に。斉藤は陽気な酔っぱらいが大好きで、憑かれると酔っぱらいがさらに加速して、トイレで寝てしまう。

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妖怪と作品を作るプロセスは、実は似ている。

オリジナルの妖怪を作るという命題に、大人も子どもも夢中になったひとときには、川田さんのこんな思いが込められていました。

「アートは"難しいものをわかっている人が偉い"っていう考え方が、なんとなくありますよね。キャプションを見てわかったつもりになることもあるけれど、今回作ってもらった妖怪の物語のように、自分で想像を膨らませる鑑賞法もあると思うんです。妖怪を作るプロセスと作品を作るプロセスはわりと近くて、もやもやしたものに形を与えて、それがどう作用するかっていうのはまさにアート。今日作った妖怪のことを心に留めて、普段から疑問符を見過ごさないようになってほしいですね」

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