52 柳澤大輔(面白法人カヤック 代表取締役CEO)×小笠原 治(株式会社nomad 代表取締役)

柳澤大輔(面白法人カヤック 代表取締役CEO)×小笠原 治(株式会社nomad 代表取締役)

鎌倉にオフィスを構え、サイコロ給など変わった制度でも注目を集める面白法人カヤック代表の柳澤大輔さんと、六本木にシェアオフィス「NOMAD NEW'S BASE」やスタンディングバー「awabar」を運営し、自らも六本木在住という株式会社nomad 代表の小笠原治さんを迎えた、今回のクリエイターインタビュー。メイン写真の撮影は、東京ミッドタウン内にあるコミュニケーションスペース「d-labo」で、インタビューは六本木未来会議の読者50名を集め、公開形式で行われました。

update_2015.3.4 / photo_tsukao / text_kentaro inoue

六本木は、日本中、世界中から人が集まってくる「村」。

柳澤大輔僕はカヤックという会社をつくった17年前、これからは面白く働く時代になるんじゃないかと考えて、「面白法人」というコピーをつけたんです。そして、どこでも働ける時代もくるんじゃないかということで、あえて本社を鎌倉に置きました。ようやく最近、鎌倉界隈に移ってくる会社も増えたし、理解されるようになってきましたね。

小笠原 治僕は一貫して転々としてまして、たぶん3年以上続けた会社はないんじゃないかな。最近はスタートアップへの投資のほか、「DMM.make」という施設を秋葉原につくったり、ロボットの販売事業もしています。昔からそうなんですけど、僕はコンテンツをつくるのがすごく苦手なので、カヤックさんが妬ましい(笑)。だからつくる場所、プラットフォームをつくるということを続けています。

柳澤ちなみに、初めて僕が六本木に来たのは高校の頃なんですけど、今でも外国人の方が多いな、くらいの印象しかなくて。あと六本木ヒルズや東京ミッドタウンができて以降は、IT系企業がオフィスを置いているとか、そこの人たちが住んでいるとか、そんなイメージです。

小笠原僕もこの対談の話がきたとき、「(六本木の)夜しか知らないですけどいいですか?」って聞きました(笑)。僕自身もそうですが、六本木って日本中、世界中から人が集まってきて、"六本木村"みたいなコミュニティをつくっているイメージ。だから居心地がいい、っていうのはありますね。

働く場所と住む場所、遊ぶ場所は近いほうがいい。

小笠原僕が六本木に拠点を置いたのは、仕事が終わったら、すぐに飲みに行けるから(笑)。でも実は、もう少し真面目にも考えていて、家と職場、遊ぶところは近いほうが、より地元感が強くなっていいと考えたから。六本木って、この周辺に住んで働いて遊ぶ、通称「港区病」の人がけっこういるんです。新宿は通勤してくる人が多いイメージだし、渋谷の場合は中目黒とか少し外側に住んで、渋谷で働いて遊ぶイメージ。そういう意味でも、六本木は一番村っぽいんですよ。カヤックさんは、どうして鎌倉に?

柳澤理由は単純で、海と山があるから。それだけです。僕、カヤックをつくる前にサラリーマンを2年くらいやってたんですけど、当時から高層ビルで働くイメージがなくて、その本能になるべく素直に従おうと。通勤時間も、できればないほうがいいだろうと思っていたし。

NOMAD NEW'S BASE

NOMAD NEW'S BASE
2011年12月にオープンした、株式会社nomadが運営するシェアオフィス。3階建てのスペースに、カフェエリア、ワークエリアほか、セミナーのできるイベントエリアも併設。起業家を支援するパトロン会員制度もある。

小笠原六本木には高層ビルも多いですけど、僕らがやっている「NOMAD NEW'S BASE」がある西麻布のほうにいくと、低層の建物も多いですよ。さすがに海と山はないですけど。

柳澤極論するとどこでもいいんですけどね。地域と一体化した会社をつくって、会社がよくなると地域もよくなって、働いている社員も楽しくなる。そういうことを目指した結果、選んだのが鎌倉。最近は、どこでも仕事ができるので拠点を持たないという人もいますよね。とはいえ、人間にはアイデンティティとかルーツも大事ですし、やっぱり組織とか拠点といったリアルな場所も必要だとは思いますね。

「カマコンバレー」と「awabar」、その街ならではの取り組み。

カマコンバレー

カマコンバレー
カヤックのほか、鎌倉に拠点を置く20社以上の企業と多数の個人会員が参加。「この街を愛する人を、ITで全力支援」をキャッチコピーに、鎌倉体験ツアーやクラウドファンディングなど、さまざまなプロジェクトを行っている。

awabar

awabar
六本木駅徒歩3分、ビール・シャンパン・スパークリングワインなど泡モノ専門のスタンディングバー。2010年12月のオープン以来、IT関係者を中心に、さまざまな人たちが気軽に出会える場としても人気を集めている。

柳澤最近では、他の会社の人たちとともに「カマコンバレー」という地域を盛り上げる活動もしています。最初は地元の人からもシリコンバレーみたいなものかと思われていましたけど、実際は名前が似ていながらも価値観としては違いますね。設立から3年たって、だいぶ理解していただけるようになりました。

小笠原僕らは六本木で、「awabar」という小さな飲み屋をやっています。最初はうちのスタッフの、女性でも行きやすい立ち飲み屋がほしいという提案からはじまったんですが、あまり当たらなかった。でも、そのまま終わるのが悔しいので、1年間僕が毎日お店に行って、来てくれたら1杯おごるというのを続けていたら、かわいそうだと思って集まってきた知り合いが、さらにまわりの人を呼んでくれて。

 六本木なのに500円で飲めるとか、立ち飲みで10分15分チャットをするようにしゃべるというスタイルが、たまたまはまったんでしょう。六本木って、ちょっと変わったことをはじめるには面白い土地。鎌倉にもきっと、その街ならではのお店や会社ってありますよね?

柳澤たしかに、特徴的な企業は集まってますね。本当に"いい会社"にしか投資をしない「鎌倉投信」とか、売上の1%は必ず環境団体に寄付する「パタゴニア」の日本支社とか。そういう会社があえて選ぶ、何か目に見えない、言語化できない価値があるんでしょうね。