BLOG

2017年11月17日

【展覧会レポート】21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3「吉岡徳仁 光とガラス」

IMG_9829.JPG

21_21 DESIGN SIGHTのギャラリー3にて、2017年11月2日(木)から11月13日(月)まで、「吉岡徳仁 光とガラス」が開催されました。国内外で活躍を続ける吉岡さんが本展で着目したのは、光の表現に最も近い素材であるガラス。人々の記憶や感覚の中にある日本独自の自然観を映し出し、光とガラスから生まれる創作の本質に迫ります。

IMG_9845---ƒRƒs[.jpg

20年近くガラスと向き合い続けてきたという吉岡さんですが、表現したいものは光そのもの。「物質的でないため表現しづらい光を、どのように表現するか、ずっと考えてきました」と語る吉岡さんの腕には、ガラスの時計が。

IMG_9839.JPG

IMG_9859.JPG

腕にはめると、そこに降り注ぐ光が輝きを放ち、性別を問わずアクセサリーとしても活用できる ISSEY MIYAKE WATCH PROJECT「Glass Watch」は、11月10日(金)に発売されたばかりの注目の作品。吉岡さんは、15年前からセイコーウオッチ株式会社と共に企画を練っていたそう。

「当時は、縁(ふち)のないガラスの時計を作る技術はまだなかったのですが、担当の方と試行錯誤を重ねて、表面ガラスの内部構造にこだわり、境が見えないような形で実現できました」と、語る吉岡さん。実用性もありながら洗練されたこのデザインに、多くの来場者が足を止め、その美しさを語り合ったり、写真に収めたりしていました。

official_003.jpg

オフィシャル提供

入口から入ってすぐのところに設置されたモニターでは、吉岡さんが手掛けてきたガラスのプロジェクトの数々が映し出されます。「光庵 - ガラスの茶室」や「虹の教会 - Rainbow Church」がスライドショーやショートムービーで紹介されました。

「光庵 - ガラスの茶室」は、構想から5年の時を経て、京都・フィレンツェの姉妹都市提携50周年を記念して作られた作品です。今年の9月まで京都府にある天台宗青蓮院門跡境内 将軍塚青龍殿に展示されていました。床に畳ではなくガラスを敷いた特殊な茶室で、花の代わりに光の屈折によって虹を出現させるなど、粋な工夫がなされています。また、ムービーの中盤では、けやき坂に現在も設置されている「雨に消える椅子」(写真下)も登場。

DSC_0033.JPG

近場ということもあり、さっそく帰りに寄って、その椅子の写真を撮ってきました。ひじ掛け椅子の背もたれ部分には、静かに流れる雨だれを連想させるようなデザインが施されています。水の中にガラス片を入れると、その輪郭がだんだんと消えていくがごとく、雨の日にはまるでその姿が消えるように見えるという椅子なので、ぜひ雨の日にも見てみたいですね。

IMG_9828.JPG

作品の中でもひときわ神秘的なオーラを放っていたのが、吉岡さんが限定ギフトボックスとボトルのデザインを生み出したドン ペリニヨン「Dom Pérignon x Tokujin Yoshioka」と、バカラのハンドメイドで制作された、クリスタル製プリズムによるアートピース「Prism」のコラボレーション。照明の光を受けて、4つのプリズムからきれいに真っすぐ光の線が伸びていました。見え方の変化の面白さから、作品の周りをぐるぐると回る人も。

IMG_9833.JPG

こちらは、モニターでも紹介されていた「虹の教会 - Rainbow Church」に続く「虹の建築」プロジェクトの模型。巨大なプリズムの彫刻によって虹を生み出すアイディアです。吉岡さんによれば「いつかは分からないが、実現したい」ものの一つなのだとか。黒い点のように見えるのは、人をイメージした紙の模型です。

IMG_9841.JPG

吉岡さんの代表作でもある「Water Block - ガラスのベンチ」は、パリのオルセー美術館の印象派ギャラリーに常設され、実際にベンチとして使われています。このギャラリーにはマネ、ドガ、ルノワールなど、誰もが一度はその名を聞いたことがある巨匠たちの作品が展示されている場所です。

光の動きや質感を描くことに重きを置いた印象派の作品を、光を表現したいと語る吉岡さんのガラス作品と共に、しかもその作品に腰をおろして観ることができるなんて、とてもロマンチックだと思いませんか?また、同作品は東京都現代美術館、韓国のサムスン美術館リウムのパーマネントコレクションにも加えられています。

IMG_9863.JPG

作品の展示は室内だけにとどまりません。ギャラリー3の外では、世界最大のオプティカルガラスのテーブル「Waterfall」が展示されていました。素材は、スペースシャトルにも使用されている特殊なガラス。長さ4.5メートルにも及ぶこの作品は、まさにタイトルの通り、威厳に満ちた滝の流れを彷彿とさせます。撮影した際には、周りに広がる芝生の緑色と、お昼過ぎの太陽の光を取り込み、この時しか見ることのできない特別な輝きを生み出していました。

いつ見てもうっとりとしてしまうガラス作品の数々ですが、太陽を浴びる作品と、太陽が沈んで照明が当たる作品の2パターンを比較してみると、その面白さは倍に。光の質や色によって違う顔を見せてくれるガラスに、魅入ってしまう展覧会でした。




information
「吉岡徳仁 光とガラス」
会期:2017年11月2日(木)~11月13日(月)※終了しました
開館時間:10:00~19:00 会期中無休
入場料:無料
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):www.2121designsight.jp

時計についてのお問い合わせ
セイコーウオッチ(株)お客様相談室 0120-181-671

関連ブログ